24歳OLのチグリジア

Webデザイナーの取り残された人権

世界一美味しい悲しい餃子

実家暮らしなんだけど、昨日仕事が終わってリビングでだらだら夕飯なんてとっくに終わってるのにパパがまだキッチンに立ってた。

母親がご飯を作るという決まりはなくて、共働きだからどっちかが先に帰ってきたらそっちが夕飯を作ることになっている。

といってもパパの方が朝が格段に早い分、平日はほとんどパパだ。

 

それにしても遅くまでなにやってるのかと思ったら餃子のタネを作っていた。

ママも「もういい加減休まないと疲れちゃうよ」と言って止めに入ったけど、「一晩寝かすとおいしいから」って言って結局作り込んでた。

私にはそれはテレビを見ていながら軽く耳に入ってくる程度だった。

 

次の日も変わらず私は仕事でいつも通りデザインしてーソース書いてーというつまらない1日を送っていた。隣の席になった同じ年の趣味が同じの事業部長がいる。同じ年といっても、私よりも先に入社をしている人だから事業部長の名の通り上司だ。ただ仲良くさせてもらっているのでそれなりに楽しい。その人との仕事中の会話が退屈でいっぱいの私の楽しみでもあった。

 

定時後にいつもそれとなく趣味の話になるんだが、その日はいつもよりも盛り上がってしまって、帰りが遅くなってしまった。

家族LINEで「夕飯食べる人ー」と母親からの家族への確認の連絡が夕方に入っていて、すぐに「食べる」と返事をしていた。

話が終わって会社からの帰り道、またLINEが入っていて確認したところ母親からの個人LINEだった。

 

「餃子、食べないの?うさぎまんじゅうが金曜日しか餃子食べなれないから今日餃子にしたんだってよ」

 

昨日父親が一生懸命に餃子のタネを作っていた背中が脳裏に浮かんだ。

あれは私のためだけでなくても、少なくとも私のことを思いながら作ってくれた餃子だったのだ。

そのLINEをみた瞬間に後悔の波が押し寄せた。

ご飯食べると連絡したのに、趣味の話で盛り上がってしまった挙句、今から帰ったら23時だ。

私のことを思ってくれていたのに私はそれに気づくこともできず、のんきに話をしてしまっていた。

自分が「金曜日くらいにしか餃子なんて食べれない。次の日の仕事に影響しちゃう」と言った発言もこの時まで忘れていた。確かに言った。誰に言ったわけでもなかったが、父親はしっかりとそれを聞いていたのだ。

 

 

走って帰った。

この季節、外は昼間まで雨が降っていたのにも関わらず随分と寒かった。しかし、家についた頃には汗だくになっていた。

 

三者目線で自分の行いを見ることがよくある。

話していたことについては、悪いことではないと思う。

一緒に話していた人にはもちろんなんの罪もない。当たり前である。

いつもは私は夕飯は食べないし、食べるとしても大皿に残ってるものを適当に食べるくらいである。だからその日もそれくらいの気持ちでいたから、話も盛り上がってしまっていたしそこまで気に留めていなかった

 

しかし、結果として親が私を思ってしてくれていた行動を踏みにじってしまった。

家につくと父親はいつもの通りテレビの前でうたた寝してしまっていた。

不幸中の幸いで、弟二人も帰宅時間が私の少し前だったらしく、ちょうど母親が餃子を焼いていくれているところだった。

弟と一緒にご飯は食べれることになったけど、やっぱり言葉にしなければいけないと思って、「私のことを考えて餃子今日にしてくれてありがとう、遅くなっちゃってごめんね」って父親に言った。伝えばければならないと思った。

 

親不孝ものでごめんね。。。

もっともっと人の気持ちを考えられる思いやりをもった人間になりたい。

そう強く思った。

 

 

 

餃子はとっても美味しかったです。