24歳OLのチグリジア

Webデザイナーの取り残された人権

「Red」生涯『女』として生きたい。と思った

最近冬よりの秋にますます近づいてきてとても心地がよく、心もおだやかです。
今日は島本理生のRedの感想を話したいと思います。
 
 
※以下ネタバレ注意※
 
 
 
 
 
大人の女性の心を描いた話でした。
「家庭も環境もとてもよくて、不自由なく人生を送っている女性」というところからのスタートだったのですが、ここからまた新しい人生が始まっていくんですよね。
 
 
以前体の関係だった人から歩み寄られて、再び関係をもってしまうところとかはすごくわかるなーって共感しました。私にそういった経験があるわけではないので、全くおんなじ気持ちではないかもしれないけど、結局安定していても自分を『女』として扱ってくれる人がひゅっと現れたら、そりゃはまってしまいますよ。
男性の方はちょっとわからないですが、女性は自分が『女』としてみられてる、扱ってくれる事って本当に嬉しいことなんですよね。それがきっといくつになっても。
どこかかゆい気持ちもするけど、やっぱりそうされて嫌だという人はあまりいないと思うんですよね。
 
 
少し話がズレますが、以前彼が職場の既婚男性、彼女持ちの人に「嫁を綺麗だとか魅力的だって思えなくなってきたんだよね。なんというか母親みたいな。母親でなくても身内になるとさ、どうしても。」という話を聞いたみたいです。
(既婚男性はともかく、彼女に対してその気持ちなのは理解不能ですが…)
よくドラマとかで聞く話だなあと思いつつも、本当に悲しい気持ちになりました。旦那さんの前で綺麗にしよう!とか特に思えなくなっても、すっぴんを晒け出し一生懸命に育児をしているわけです。そもそも中身を『綺麗』だとは評価しないのかな?と思いましたが。
そういう意見の男性は、自分の前で格好を着飾らなくなった、とか、すっぴんに見慣れてしまっただとか、そもそもこっちがちゃんとしてないから、そう思うのは当たり前だろうという意見がよくありますが(私の職場にもいます)、それを言うならこっちだって言いたい事は山ほどあります。毎日起きた直後に無精髭は無くして欲しいし、体が匂ってきたらすぐに風呂に入ってほしい。いびきがうるさいから病院に行ってほしいし、だる着なんて着ずにいつもきちんとした格好をしてほしい。
 
上記の一連の話なんてよくある話かと思いますが、やっぱりお互い一緒に生活して生きている以上常に100%なんて無理なんですよ。だから、「『綺麗』なんて思えなくなった」なんて言わないで、思ったとしてもきちんと『女』として扱い続けてほしいと思いますね。そうしたら女性だって旦那さんのために、ずっと綺麗でいようっていう気持ちも続くと思うんですよね。
 
私は母から「いつも『彼の名前』さんの彼女、奥さんは綺麗ですね」って言われるようにしなさい。と言われて来て、例えば紹介とかされても、最低限彼にとって隣にいて恥ずかしくない女性でいなければとずっと思ってたので、彼と外にでるときはいかなる時もすっぴんや適当な服で並んだことはありません。私自身、彼のためだけに綺麗でいようなんて微塵もなく、「綺麗でいる自分」でありたいのであまり苦に思った事はありません。でもこれも結婚とか育児とかやるようになると意識が変わって来てしまうのかなーなんて思ってますけどね。
 
 
話を戻しますが、そんな風に扱ってくれる男性と再会し、そうしていくうちに今までずっと我慢していた状況を変えていこうとしていくんですよね。「無意識マザコンだめ夫」(私が作中で名付けました。これが育児は本当にしないクズ夫なんですよね…)に反撃?抵抗を見せていくんですけど、それプラスで子供と姑が家にいる状況なんですよ。なんか家族構成もそうですけど、本当に島本理生の世界観って変にフィクションすぎていないというか、本当にどこかに存在していそうなもので、親しみがすごくもてるので話の流れだとかがすごく理解しやすいし共感することが多いんですよね。
 
 
二世帯の旦那側の家の中で唯一全部が赤の他人の血なのって奥さんだけなんですよね。

実はうちもそうで、祖父は私が小学生の時に他界し、以後祖母とうちの家族で一軒家に住んでるんですけど、よく母も「この家で私だけが血の繋がらない赤の他人」ってよく言ってました。私も母の血が入っているから小さい頃をはよくわからなかったけど、母方の家の血100%なのは母だけなんですよね。当たり前の話ですが。

だから、何をするにも本っっ当に気を使うんですよね。本当に何をするにしても。

作中に

「息抜きできるのは寝る前の寝室に入った時だけ」

というような一文があるんですが、そんな中で 「無意識マザコンだめ夫」も自分の親の味方をするんですよね。理不尽に味方をするわけでも意地悪ででもなくて、母親が言ってるんだからそっちが正しいに決まってる。という感じなんですよね。私は結婚する相手には、私が悪かったらしょうがないけど、姑と意見がぶつかったりしたら、絶対に私の味方になってくれる旦那さんがいいですね。これ心底思います。

 

結局数年後には落ち着いて元の家族形態に戻るんですが、「女」という生き物についてすごく生なましくリアルに描いているなというのをすごく感じました。

 

 

私は結婚もしていないし、育児だってもちろん経験していませんがいつまでも「女」でいたいなとつくづく感じました。女性にも共感として薦めたいですが、男性にこれを読んで欲しいですね。これ読んで学べ!という気は毛頭ありませんが、少しでも理解してくれたら世の中変わるんじゃないかなと思います。今は育メンだとか、家に協力的な男性もたくさんいらっしゃるようですが、それをもっと広めていけるように。家族のことは家族全員のこと。というのをもっともっと理解してほしいし、知って欲しいなと思いました。

みなさんも読んで見てください。

 

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